任意整理とは借金の将来利息をカットして再度、返済計画を組みなおす手続きです。
「利息を減らすだけ?」
と感じるかもしれませんが、利息も積み重なれば大きくなるんです。「利息だけ」なんて馬鹿にはできません。
利息がなくなることで「返済期間が長くても借金が膨らまない」という状態になります。
借金額が増えないというのは、確実に返済を終わらせるためには大きなメリットとなります。
任意整理の手続きをすると返済計画も新たに立てることになるので、完済までの道筋が明らかになります。
支払いを毎月おこなえるイメージが湧いてゴールも見えるようになり、生活の不安がグッと減ります。
利息カットのみだと、元金を大きく減らせる個人再生・自己破産のほうが良いようにも思えますが、手続きする人は両方合わせても年間8~9万人程度。
それに対し、任意整理をしている方は年間200万人います。(推定)
任意整理が選ばれる理由として大きいのは「デメリットが少ない」ということ。
しっかり理解して自分には任意整理が向いているのかどうか、判断しましょう。
任意整理のメリット・デメリット
メリット
・返済を催促する連絡がなくなる
・将来利息をカット
・任意整理する借入先を選べる
デメリット
・キャッシング・クレジットカード・ローン(分割払い)が利用できない
・賃貸の入居審査に落ちることがある
それぞれ詳しく見ていきます。
返済を催促する連絡がこない
これは任意整理に限らず個人再生・自己破産にも当てはまりますが、弁護士に依頼をすると「受任通知」というものが債権者に送られます。
簡単にいうと「これからは弁護士が窓口になります」という連絡です。
なので借金に関する連絡はすべて弁護士に行くので、催促の連絡があなたや職場、保証人に行くことはありません。
また受任通知が送られた時点で返済が一時ストップします。
なので「今月の返済ができない」という状態でも一時的に時間の猶予を作れます。
ボクは「むしろ返済しないでください」と弁護士に言われました。
今後、生活を立て直すうえで必要な現金を手元に残しておくためです。
また返済に猶予ができると一気に気持ちが楽になります。
催促がこない、会社にも連絡がいかないというだけで、安心して生活ができるようになりますよ。
将来利息をカット
これから払う利息をカットし、返済額を減らせます。
あくまで減らせるのは「これからの利息」であり「これまでの利息」は基本的に戻ってきません。
利息を減らすだけだと金額が小さくて「デメリットを受け入れてまでやるべきなのか?」と感じる人もいるでしょう。
これは借入金額や金利にもよりますが、返済期間が長ければ利息も大きくなるので任意整理をする価値はあります。
50万円借りて払う利息が約20万円【実例】
ボクが以前ア〇ムから借金したときの例を挙げます。
- 借入金50万円
- 金利18.0%
- 月に15,000円ずつ返済(46回払い)
以上の条件で借入したとき、元金50万円に対し利息は19万5千円にまで登りました。
50万円を借りて約70万円を返済。
約40 %が利息ですよ?
金利の18%はあくまでも1年間の利息なので、返済が1年以上かかるとドンドン増えていきます。
これが借入金200万円、300万円だったら…恐ろしいですね。利息だけで100万円以上を払うことにもなり得ます。
つまり利息カットだけでも大きなメリットになる。
ということです。
短期間で返済できる人なら利息も少ないので任意整理をするメリットは少ないです。
しかし毎月の返済額が少なく返済期間が長い方は、利息で借金が大きく膨らむので任意整理という選択をするのもアリでしょう。
任意整理する借入先を選べる
債務整理を考えている人の多くは複数の借金を抱えているかと思います。
「クルマを手放したくないからカーローンは整理したくない」
「この借入先は保証人がいるから迷惑をかけたくないな」
こう考えている方にとって大きなメリットとなります。
例えば今現在クルマのローンを支払っている場合、任意整理の対象にしてしまうとクルマを手放さなくてはいけません。
これはローンの支払い中はクルマの所有権がローン会社にあるためです。
クルマのリースやバイクの場合も同様です。
そういった場合に「クルマのローンのみ対象外に、それ以外の借入先を任意整理する」という選択をすることができます。
そうすればクルマを保持したまま、任意整理することが可能です。
また借入先に保証人がついている場合、任意整理すると保証人に請求がいきます。
それを防ぐために「この借入先は今まで通り返済して、それ以外の借入先を任意整理する」という選択もできます。
なので任意整理は
- ローン支払い中のクルマやバイクがある
- 借入に保証人がついている
という方にとって「整理する借入先を選択できる」ことがメリットとなります。
クレジットカード・キャッシング・ローン(分割払い)が利用できない
債務整理をするということは「返済する」という覚悟を決めることでもあります。
追加でキャッシング、ローン払いができないことは返済する上ではメリットだと考えた方が良いでしょう。
クレジットカードは使えないと不便ですが、デビットカードで代用できます。
デビットカードはクレジットカードと違い、利用してすぐに口座からお金が引き落とされます。
「知らずに使いすぎてしまった…!」
なんてことはありません。
ぶっちゃけ返せないほどの借金を背負ってしまうボクらにはキャッシングもカードも借りられる枠は残っていないので大したデメリットではありません。
むしろ「これ以上借金を増やせない」というのはメリットだと捉えてもいいでしょう。
借りられる、と考えると魔がさしてしまいますからね。
賃貸の入居審査に落ちることがある
引っ越しの際に保証会社の審査で落ちてしまうことがあります。
確実に審査を通したい場合は保証会社の必要のない物件(代わりに保証人を立てる必要があります)を選ぶと良いでしょう。
保証会社が必要な物件しか見つからない場合は、不動産の方に債務整理していることを正直に話しましょう。
保証会社とは違い、不動産の方は契約をとってなんぼなのでお客さんに寄り添ってなるべく契約をできるように協力してくれます。
保証会社アリでも審査の通りやすい物件を紹介してくれるはずです。
ちなみにボクは最近引っ越しをしましたが、同棲している彼女の名義で契約しました。
もし借金について話せるパートナーがいるなら「パートナーの名義で契約をする」というのも一つの手段ですよ。
任意整理と自己破産・個人再生の違い
債務整理には任意整理のほかにも個人再生・自己破産というものがあります。
それぞれどんな違いがあるのか、表にしました。
任意整理 | 個人再生 | 自己破産 | |
借金減額 | 利息カットのみ | 最大10分の1まで減額100万円以下にはならない | 全額免除 |
借金理由 | 問われない | 問われない | 問われる |
財産の処分 | 没収なし | 20万円以上の価値があるものは処分&99万円を超える現金は没収 | 20万円以上の価値があるものは処分&99万円を超える現金は没収 |
周囲にバレる | ほぼバレない | 官報に記載(バレる可能性は低い) | 官報に記載(バレる可能性は低い) |
仕事への影響 | なし | なし | 一部制限アリ(いわゆる士業) |
クルマ・家の引き上げ | なし | 支払い中のものは処分される(特約を利用すれば家は残せる) | 支払い中のものは処分される(支払い中でも20万円以上の価値があれば処分) |
保証人への影響 | なし | 保証人に請求 | 保証人に請求 |
信用情報への登録 | 完済後5年 | 7~10年 | 最長10年 |
任意整理をするべき人はどんなひと?
借金総額が自分の年収を越えている人は、元金のみでも返済は大変なので個人再生・自己破産を選んだ方が良いでしょう。
任意整理は
- 家族に内緒で手続きをしたい
- 除外したい債権(借金)がある(保証人や車のローンがある)
- 借金が少額
という方にオススメです。
上記に当てはまらない
- 年収を超える多額の借金がある
- すでに給与の差し押さえなどを受けている
- 早く人生を立て直したい(大幅な借金の減額を受けたい)
という方は個人再生・自己破産を選んだ方がよいでしょう。
手続き・返済に掛かる期間
【任意整理】
手続きに3~6か月、返済期間は3~5年
【個人再生】
申し立てをしてから6か月ほど経ってから返済開始されます。
返済期間は原則3年、最長5年。
申し立て後、返済のシミュレーション(返済できるかの確認)として裁判所から派遣された個人再生委員に6か月ほど支払い(積み立て)をします。
積み立てたお金は個人再生委員への報酬を差し引き、残りは返金されます。
【自己破産】
手続き期間は早くて半年ほど、基本的には1年かかります。
裁判所への申し立て準備に6か月、申し立て後、裁判所での手続きに6か月で合わせて約1年です。
まとめ
任意整理とは将来の利息をカットして、返済計画を組みなおす手続きです。
返済期間が長くなると利息だけでも高額になり、借金が増えてしまうので利息カットするだけでもメリットになります
任意整理のメリット
- 返済を催促する連絡がなくなる
→弁護士が窓口になるので気持ちが楽になる、職場などに連絡がいって借金がバレる心配もない。
- 将来利息をカット
→返済期間が長くなっても借金額が増えない、着実に完済まで近づく。
- 任意整理する借入先を選べる
→クルマや家を手放さず、保証人にも迷惑をかけなくて済む。
デメリット
- キャッシング・クレジットカード・ローン(分割払い)が利用できない
→今よりも借金が増えない、という意味ではメリットともいえる。
クレカはデビットカードで代用可能。
- 賃貸の入居審査に落ちることがある
→不動産の人に相談するなりパートナーがいれば相手の名義で契約する、などやりようは有る。
任意整理が向いている人
- 家族に内緒で手続きをしたい
- 除外したい債権(借金)がある(保証人や車のローンがある)
- 借金が少額
個人再生や自己破産を検討したほうがいい人
- 多額の借金がある
- すでに給与の差し押さえなどを受けている
- 早く人生を立て直したい(大幅な借金の減額を受けたい)
自分の状況と照らし合わせて今の自分に合った選択をしましょう!
これを読んだあなたの不安が減って、生活の立て直しに役立てますと幸いです。
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